2012/03/01

学生紹介:髙田苑実(修了生)

Q 自己紹介をお願いします。
A 髙田苑実です。この学校に来る前は、ファインアートを勉強したり、身体表現や写真コラージュの平面作品などを作っていました。


Q 最近アニメーション以外でどのような作品と出会いましたか? 
A 映画では『なみのおと』(監督:濱口竜介、酒井耕)。本学映画専攻を出た監督の震災ドキュメンタリーの作品です。姉妹や夫婦の対話の中で、故郷や家族に対する想いが言葉になっていくのが見えました。本では、太田光の『文明の子』。


Q 大学院で一番印象に残っている出来事や言葉などあれば教えて下さい。 
A 伊藤有壱先生の初めての授業で、相原信洋さんの作品を紹介されて、アニメーションはパペットやクレイなどだけではなく、どんなものでも、空でも地球でも、アニメイトする対象になりえるという話をされていたが印象的でした。


Q 一年次作品と修了作品との相違点や挑戦したことなど教えて下さい。
A 一年次では、草を使ったストップモーションアニメーションを作りましたが、修了制作でも自然物を使うにあたって、どういうつもりで自然物を使い、なにを表現するべきかをより慎重に考えました。特に、大震災のあったあとの自然に、どんな距離感で向き合うべきか考えていました。


Q 本作品をなぜ作ったのでしょう?メッセージなどを聞かせて下さい。 
A 今作品の制作プロセスは、不安定な世界で日々生きる中で、私の自問自答と小さな実験の繰り返しがその期間のほとんどでした。完成された作品は、現時点での私の回答です。抽象的な表現ですが、今回の大震災のケースに限らず、だれしも自分と世界の関係に不安があるときがあるとおもいます。それでもその世界で生きていくときに、それぞれのひとたちがもつ世界の受け入れ方を考えるきっかけになれればいいと思っています。


Q 修士論文のテーマを教えてください。
A 「リアリティとはなにか」という哲学的命題を軸に、作品制作プロセスで実践されたこと、また、その他の表現者たちのコンセプトを例にとり、考察しました。

Q 修了展のテーマが「TALK」ですが、あなたにとって「TALK」と「作ること」との繋がりについて教えて下さい。
A イメージとしては、作家はメディアで、「作ること」は、メディアを通したことがらを集束することで、完成された作品について「TALK」されることは、新たなことがらを生み、分散して広がっていくかんじです。





髙田苑実さんの作品「The surface of the earth」はプログラム「第三期生修了作品B」にて上映いたします。第三期生修了作品Bプログラムは、横浜会場3/9から3/11、東京会場3/17から3/23に上映いたします。

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