Q 自己紹介をお願いします。
A 「Look at Me!」を制作した飯田千里(いいだせんり)と申します。
Q 最近アニメーション以外でどのような作品と出会いましたか?
A ちょっと前になりますが『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?』(ひこ・田中 2011)を読みました。児童文学は、アニメーション制作へ飛び込む前に興味のあった分野なのですが、今読むと、アニメーションの汎用性について、もっともっと真剣に考えなければならないなと感じました。
Q 大学院で一番印象に残っている出来事や言葉などあれば教えて下さい。
A 「最近は、イベントが盛んだが、発表内容の充実よりも人を集めるプロセス自体に主眼が置かれているようだ。」という意味の発言を、一年次のゼミで先生がされていたのを聞き、メディアの変化について考え始めました。他方「頑張って考えた事は、実は所詮その程度の事柄ともいえる。無意識に出てくるものこそ(自分にとって)重要な事柄」という言葉もあり、両方印象に残っています。
Q 一年次作品と修了作品との相違点や挑戦したことなど教えて下さい。
A 一年次では自分なりのアニメーション技法のルール作りを、修了制作では、そのルールを踏まえた、文章書き、原則の崩しなどに挑戦しました。 基本的にはペンで一枚一枚書き、コンピューター上で彩色し、タイミングをギリギリまで調整する絵柄も方法もシンプルなものです。
Q 本作品をなぜ作ったのでしょう?メッセージなどを聞かせて下さい。
A 本作は当初一年次制作として企画されましたが、その時は自分自身が制作動機を整理できなかった為、二年目に持ち越されたものです。結局それは自分の立ち位置、つまり個人制作のアニメーションにおける周辺環境の変化やメディアの変化を見ていて感じた、移ろいゆくものへの哀惜の念でした。その一方で時代を超えても変わらない、時に無邪気で残酷な他者を欲する愛(あるいは哀)の力に魅かれ「映像を見て(いる間)対話するように楽しめる作品」にしたいという思いから制作しました。
考えてみればごくごく基本的なことですが、あまりにも複雑になってしまった映像の見方に対して、ポンと素直になりたい(と思い作りましたが如何でしょうか?)という自分なりのメッセージなのかもしれません。
Q 修士論文のテーマを教えてください。
Q 修了展のテーマが「TALK」ですが、あなたにとって「TALK」と「作ること」との繋がりについて教えて下さい。
A 私は、作品を「作ること」を通してしか「TALK」はできないと考えています。
さらに映像作品である場合、 上映中にしか「TALK」はできないのではないかと考えています。上映後の解釈や感想以上に、上映中の反応や、口にあげずとも各人に残る一瞬の印象に「TALK」の価値を見出したいです。いずれにしても「TALK」するには「作り」続けるしかないのでしょう。
飯田千里さんの作品「Look at Me!」はプログラム「第三期生修了作品B」にて上映いたします。第三期生修了作品Bプログラムは、横浜会場3/9から3/11、東京会場3/17から3/23に上映いたします。