Q 自己紹介をお願いします。
A モリシタトヨミです。Central St Martins College of Art &Designでイラストレーションを学び、大阪のIMIでアートマネージメントを学びました。コミュニティ・アートのプロデュースに興味があり、そういった場所でのアニメーション上映やキュレーションをやっていきたいと思っています。お仕事があれば是非声をかけて下さい。
Q 最近アニメーション以外でどのような作品と出会いましたか?
A サムソン・ミュージアム/横浜トリエンナーレ2011で見たクリスチャン・マークレの「The Clock」は古今東西の映画の、時計や時間にまつわる場面のサンプリングで出来ていて、映像と現実世界の時間が一致する作りに驚いたのと、作家の並々ならぬ映像への執着に感銘を受けました。
Q 大学院で一番印象に残っている出来事や言葉などあれば教えて下さい。
A 出来事は、この2年、ほとんど学校で過ごした/住んでいた事。
言葉は、元々イラストレーションを学んでいた私に、「絵が動いたからといってアニメーションじゃない」と、1年次ゼミ教授の出口丈人先生に言われた一言。それから、アニメーションとは何かを深く考え、映像言語というものがある事に気付きました。
Q 一年次作品と修了作品との相違点や挑戦したことなど教えて下さい。
A 1年次は、リミテッドアニメーションからフルアニメーションへの挑戦や手法の模索、そしてセリフを使わず「アニメーション言語」だけで、どこまでテーマ/メッセージ/物語を映像だけで語れるかに挑戦しました。
2年次では自分らしい作品とは何かを見つめ直し、少女マンガの花や星といった装飾が作りだす幻想性に着目し、それらのアニメーション表現への翻訳として作品を作りました。
言語化出来ない感覚的な何か、アニメーションだけが作り出せる効果、「触覚」や「追体験」「融解感覚」などをいかに表せるかを実験しています。
Q 本作品をなぜ作ったのでしょう?メッセージなどを聞かせて下さい。
A 自分自身のアイデンティティを形成するのに最も影響を与えたのが「少女マンガ」でした。沢山の夢を見せてくれたのと同時に、人生で大切な事の多くも教えてくれました。女性の作家さんたちは、後に続く少女達に色んな生き方やメッセージを発信していたと思います。しかしアニメーションではそういった作品がない事に気付きました。インディペンデントアニメーションという、個人が表現・発信できるメディアの中で、私も少女マンガの様に同性に向けて何かを伝えたいと思い「少女アニメーション」を作ろうと思いました。今後これを1つのジャンルに育てて行ければ、と思っています。
Q 修士論文のテーマを教えてください。
A アニメーションによる感覚表現の考察 ~静止画から動画へ~
A Consideration of sensuous Animation ~ from still images to moving images ~
Q 修了展のテーマが「TALK」ですが、あなたにとって「TALK」と「作ること」との繋がりについて教えて下さい。
A 本来は作者でなく、作品自体が「語る」べきであり、観客はそれを理解する事が重要だと考えています。伝統芸能や現代美術では文脈やお約束が確立され、少しの説明でも作品理解に繋がります(ex伝統芸能の「黒」「黒衣」はinvisible/不可視的存在)。
短編アニメーションはアートと若干文脈が違い、また構成要素の多さからも一元化したロジックを確立するのが難しい。視覚芸術として最も根源的でかつ高度な表現であるにも関わらずその重要性が語られない、マーケットもないので、まず始めに「TALK」する事で「土壌作り」をしなければならないのかな、と思います。
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